金属製品(主に鉄・アルミ・ステン・真鍮・亜鉛ダイキャスト・アルミダイキャストなど)に塗装を行う方法の一つです。
粉体塗料や溶剤塗料を塗布し、塗装皮膜(熱硬化性樹脂)を110℃~200℃の温度で一定以上加熱して焼き付けることによって皮膜が硬化します。
金属焼付塗装は、美観のための装飾だけではなく、防錆性、耐候性を高め機能性を向上させます。
金属を塗装する方法としては、焼付塗装、ウレタン塗装があります。
溶剤塗装はもっとも一般的な塗装方法です。
シンナーなどの有機溶剤に塗料を混ぜて溶かし、主にスプレーガンを使って被塗物に塗布。
その後、焼き付けることによって塗膜を形成させ、被塗物をコーティングします。
溶剤塗装は種類が豊富に存在することから、非常に広範囲の被塗物に対応できるという特徴があります。
スプレーガンで粉末塗料を帯電させ、アースの取れた被塗装物に静電気を使って塗布し、その後、焼付け乾燥炉で加熱(180℃)することにより塗膜を形成します。
使用量はまだ少ないですが、現在主流の溶剤型の塗装方法より地球環境や人体に優しいと、欧米を中心に国内でも年々増加し続けています。
カチオン電着塗装とは電着塗装の一種であり、水溶性の電着塗料のなかに被塗物を浸漬させ、直接電流をかけることで塗料を付着させる塗装方法です。
カチオン電着塗装でコーティングをした場合、被塗物が複雑な形状であってピンホール(塗面に生じる小さな穴)がなく均一で密着性の高い塗膜が形成されるため、極めて高い防錆性能を誇ります。
また、ほかの塗装方法に比べて色ムラやごみの付着、塗料のたれ等が非常に少なく、良質の塗装ができるという特徴もあります。
なお水溶性塗料であるため、VOCの発生が少ないという点から、環境にやさしい塗装方法としても注目を集めています。
リン酸塩処理の1つで最も多く使われているのがリン酸亜鉛処理です。
処理液の主成分はリン酸イオンと亜鉛イオンから構成されており、結晶性の皮膜が形成されます。
この処理は塗装下地として広く使用されており、耐食性、密着性を大きく向上させます。
適用素材は鉄鋼、亜鉛メッキ製品が多いのですが、その他の素材への適用例もあります。
処理温度は60℃以下のものが多く、常温タイプのものもあるので、使いやすいのも特長のーつです。
リン酸塩処理の1つで、処理液の主成分はリン酸イオンで、他のリン酸塩処理と違い非晶質の皮膜が形成されます。
皮膜成分はリン酸鉄で皮膜厚は非常に薄く(1μm以下)、干渉色によって青色から黄色などの皮膜外観を呈しています。
この処理はリン酸亜鉛処理と比較すると耐食性は劣りますが、無処理よりはずっと耐食性も良く、塗装密着性も得られる上、他のリン酸塩処理よりも安価で浴液管理も容易なため、塗装下地用として広く使われています。
適用素材は鉄鋼製品のみとなります。